骨伝導ヘッドフォンで広がるスマホ活用シーン
2022年3月24日 更新
こんにちは。フロッグワークス 代表の岸本です。
当社は視覚障害をもつ方がより便利にパソコンやiPhoneなどのスマホが使えるように支援しております。
今回は、耳をふさがずにパソコンやスマホなどの電子機器が使えるようになるアイテム『骨伝導ヘッドフォン』についてご紹介します。
骨伝導ヘッドフォンって何?
骨伝導ヘッドフォンは、大きめのヘアバンドのような形をしています。特殊なスピーカーを頭蓋骨(こめかみ~耳の上の部分)にあてることで音が聞こえるという仕組みです。
普通のヘッドフォンは耳の穴に音が届くように着けるので耳がふさがるのですが、骨伝導ヘッドホンの場合は耳をふさぎません。
周りの音が自然に聞こえるので、外でつけていても安全性が高いというのが特長です。
便利な使い方5選
視覚障害当事者であり、骨伝導ヘッドフォン使用歴4年の当社代表の岸本が感じる便利ポイントを5つご紹介します。
ポイント1.パソコンを使っている時、電話に出られる。
周りの声が聞こえるので、突然の電話や呼びかけにすぐ対応できます。イヤホンを使っていた時は上司の呼びかけが聞こえなかったりしたのですが、骨伝導に変えてから反応できるようになりました。
ポイント2.ナビアプリとの相性が良い。
スマホのナビアプリ、特に視覚障害者を誘導するために開発されたアプリが使いやすくなります。なぜなら、これらのアプリは歩いているときに音声などで誘導してくれるという仕組みが多いので、耳をふさがず音声が聞こえる骨伝導ヘッドフォンは相性が良いのです。
ポイント3.外出先でも電話に出やすい。
耳をふさがないので、とっさに電話に出ることができます。出先であることや、かけ直すことなどを伝え、落ち着いたところでかけるができるようになります。
ポイント4.スマホを操作しなくても急ぎの用件かどうか分かる。
特に音声読み上げを使っている場合、通知を確認するのは案外手間がかかりませんか?通知の内容を読み上げるようにしておけば、スマホを触らなくても用件がわかって便利です。
ポイント5.耳が痛くなりにくい。
イヤホンなどと違い耳の穴や耳たぶに器具を取り付けないため、耳が楽になります。
よくある質問
長年骨伝導ヘッドホンのサポートをしている当社の岸本がよくいただくご質問をまとめました。
質問1.電池(バッテリー)は何時間くらい持ちますか?
回答1.連続使用で6~8時間使える機種が多いです。
質問2.おすすめの機種はありますか?
回答2.当社のイチオシは『GY-4』です。同価格帯の中で音質が良く、右手で白杖を持っていても操作できるよう大きなボタン類が左側にまとまっているのがポイントです。
質問3.設定は何かありますか?
回答3.下記の『使い方』の項目にまとめていますので参考にしてください。なお、当社では設定サービスの有料サポートも行っておりますので、こちらもご検討ください。
質問4.ガラケーでは使えますか?
回答4.残念ながらガラケーにはつなぐことができません。ガラホの場合は機種によりますので、携帯電話ショップなどに『Bluetooth接続はできるか』と確認してみてください。
使い方(接続の仕方)
現在発売されているほとんどの骨伝導ヘッドホンは、Bluetoothという電波を飛ばしてパソコンやスマホと接続します。昔のヘッドフォンやイヤホンのように線(ケーブル)をつなぐというのは少なくなってきています。
初めて骨伝導ヘッドフォンを買ったときには、パソコンやスマホと骨伝導ヘッドフォンを接続できるようにするため、『Bluetoothのペアリング設定』という操作が必要です。
大まかな手順は次のとおりです。
パソコンに接続する場合
- パソコンの『設定』画面を開きます。※キーボードで操作する時はWindowsキーを押しながら英字のIキーを1回押します。
- 『デバイス』または『Bluetoothとデバイス』という項目を選択します。※キーボードで操作する場合は上下矢印キーを押します。反応しない場合はTabキーを押した後に操作してください。以下同様の手順です。
- 『Bluetoothとその他のデバイス』というボタンを選択します。
- 『Bluetoothまたはその他のデバイスを追加』というボタンを選択します。この項目は画面の右側にありますので目視で探す際はご注意ください。
- この段階で、Bluetoothヘッドホンの電源ボタンを10秒ほど押しっぱなしにします。※ヘッドフォンを装着している場合、『ペアリング』などの音声案内が聞こえます。
- パソコンの操作に戻り、リストの中からBluetoothヘッドフォンの型番を探し、選択します。
- しばらくするとパソコンとBluetoothヘッドフォンが接続されます。※『コネクテド』や『接続しました』といった音声案内がされます。
- 以降、Bluetoothヘッドフォンからパソコンの音が聞こえるようになります。パソコンの音に戻す場合は、ヘッドフォンの電源を切りましょう。
スマホに接続する場合
スマホは機種ごとに画面の構成が細かいところで異なります。ここではiPhoneを例に説明します。
- 『設定』アイコンを選択します。
- 『Bluetooth』という項目を選択します。
- 『デバイスを追加』という項目を選択します。
- この段階で、Bluetoothヘッドホンの電源ボタンを10秒ほど押しっぱなしにします。※ヘッドフォンを装着している場合、『ペアリング』などの音声案内が聞こえます。
- スマホの操作に戻り、リストの中からBluetoothヘッドフォンの型番を探し、選択します。
- しばらくするとスマホとBluetoothヘッドフォンが接続されます。※『コネクテド』や『接続しました』といった音声案内がされます。
- 以降、Bluetoothヘッドフォンからスマホの音が聞こえるようになります。スマホ本体からの音に戻す場合は、ヘッドフォンの電源を切りましょう。
購入したい方、詳しく相談されたい方は
当店では、今回ご紹介した骨伝導ヘッドフォンだけでなく、視覚障害者に使いやすいパソコンや音声読み上げソフト等の販売、パソコンやスマホのサポートを行っております。
それでは今回のコラムはこの辺で失礼させていただきます。